ネット上には、たんぱく質にまとわる不正確な情報が限りなくあります。このような間違った情報は私たち消費者が自分たちの健康に関して適切で正確な判断をする妨げになります。たんぱく質についての情報をわかりやすくするために、よくある5つの「嘘」を解明します。

 

「嘘」#1 動物由来のもののみがたんぱく質である

たんぱく質は、肉や卵、乳製品など動物性の物のみから作られており、植物性のたんぱく質は無いという情報を時々見かけます。これは不正確です。

たんぱく質は私たちが日常的に食べている食物のほとんどに含まれており、たんぱく質が豊富な植物性食物もたくさんあります。でも、一番たんぱく質が多く含まれている植物性食物は何かご存知ですか?最もたんぱく質(プロテイン)を多く含んでいるのは、大豆、レンズ豆や豆などを含む、マメ科植物です。その中でも一番たんぱく質を多く含んでいるのは枝豆、レンズ豆、エンドウ豆、小豆など。セイタン、豆腐、納豆なども動物性食物の代替としてふさわしい食物です。全粒穀物から作られているパスタや、パン、または玄米やワイルドライスなどによっても、さらにたんぱく質とカロリーを足すことができます。アーモンド、カシューナッツ、ヘンプシード、ひまわりの種などのナッツ・種子類もたんぱく質や、その他の栄養素もたっぷり含んでいます。

 

tempeh

「嘘」#2植物性ダイエットでは十分なたんぱく質を摂取できない

ベジタリアンやヴィーガンの方はこのような間違った情報をよく耳にするのではないでしょうか。これは、20種類のアミノ酸のうちの9つの必須アミノ酸が動物性たんぱく質のみに含まれているという偏った情報が広まったことが原因と言えます。実際は、様々な植物性食物からも健康維持のために必要な必須アミノ酸を摂取でき、蕎麦や大豆、キノアなどは全9種の必須アミノ酸を含有しています。重要なポイントは、たんぱく質を豊富に含む植物性食品を十分とり、様々な食材をバランス良く組み入れることにより、非必須と必須アミノ酸の両方を補給することです。

myths about protein

「嘘」#3 動物性たんぱく質は植物性たんぱく質よりすぐれている。

この嘘は私たちの健康に一番大きな悪影響を与える可能性があります。動物性たんぱく質の摂取は、心臓病、癌、糖尿病、骨粗鬆症、アルツハイマーなど、現代社会の重大な病の原因と関連付けられています。動物性たんぱく質はコレストロール、抗生物質、ホルモン剤などを含んでいる場合もあり、加工肉は特に消化器官にも負担をかけます。

世界人口の約65〜70%が乳糖不耐症ということが発覚している事実も含め、全体的な消化機能の向上のためにも植物性食品が優れていると言えます。

植物性食品を食生活の中心にすることで、このような現代社会の病気に悩まされる確率を削減することが可能です。植物性食品を主に摂ることにより、ビタミンやミネラル、抗酸化物質の摂取量を増やすことができ、また動物性たんぱく質がもたらす飽和脂肪酸やコレストロールの悪影響を減少することができます。

myths about protein

「嘘」#人間は生きて行くために肉が必要だ

「人間は元々雑食動物なのだから」という発言をよく耳にすることが多いのではないでしょうか。でも、動物性たんぱく質をより多く取り入れることにより、慢性疾患やその他の病の増加の関連を見ると、人間は草食動物により近いのではないかという説もあります。例えば、ゴリラと我々人間は約98%以上のDNAが共通しているという説もありますが、ゴリラの食生活はほぼ植物性です。人間やゴリラは、他の肉食動物と比べ、腸の長さが体長の12倍にも及びます。この長い腸は、食物繊維を分解し、必要なアミノ酸を吸収することができます。反対に、肉食動物は植物の繊維を消化する必要がないので、腸が短く作られています。また、世界の長寿地域「ブルーゾーン」では、植物性食生活を送っている人々が多くいます。この地域に含まれる沖縄、サルデーニャ島、ニコヤ半島などの住民の食生活を見てみると、植物性食品摂取が主を占めます。さらに、アメリカ栄養士協会によると、ベジタリアン・ヴィーガン食生活は幼児から高齢者に及びあらゆる年齢層に適しているとあります。

 

myths about protein

「嘘」#5— 植物性食物由来のたんぱく質のみでは体のパフォーマンスの質が下がる

近年では、プロのスポーツ選手たちの中でも植物性食生活に転換する方が増えおり、個人の経験や健康の向上について発信している方も多くいます。

トム・ブレーディ、ルイス・ハミルトンなど、植物性食生活によってパフォーマンスが向上したというアスリートも世界中に増え続けています。

多くのプロスポーツ選手やアスリート達が植物性食生活に転換していることからも、植物性食品が運動能力を高め、体力回復を早めることに貢献しているのではないかということが察しられます。

 

まとめ

最も重要な事実は、健康に必要なたんぱく質、ビタミンやミネラルなどの栄養素は、様々な植物性食材を中心としたバランスのよい食生活を心がけることで十分に補給できるということです。

たんぱく質やカロリーは、筋肉を鍛え、また回復するために重要になります。一日あたり適量なたんぱく質を摂取するこが必要です。

プロテインシェイクを生活の一部に取り入れることにより、簡単に必要なたんぱく質を摂取することができます。運動の前後にお好みのプロテインパウダーをフルーツや野菜の摂取に加えることにより、健康維持や疲労回復の向上につなげることが可能でしょう。

植物性食生活や植物性たんぱく質の効果についてもっと知りたい方は、その他のブログを是非ご覧ください!

Written by Nicholas Orsini

Find similar articles

ライフスタイル健康栄養

More stories

野菜中心食(プラント ベース)と健康の関係

「野菜中心食と健康の関係」

植物性食品中心の生活は健康的な生活を送るためのとても重要なポイントだと私たちは考えます。動物由来の食品を完全にやめる必要はありませんが、動物性食品を減らし、野菜の割合を増やした食事パターンに変えることが健康的な食生活につながるのではないでしょうか。野菜中心食とは、野菜、ナッツ、全粒穀物、果物、豆類などのことを指します。また、このような食品を中心、、、、

どうやって野菜中心の食生活に切り替えるのか

「どうやって野菜中心の食生活に切り替えるのか」

健康のため、環境のため、そして倫理的にも野菜中心(プラントベース)の食生活に切り替えたいけどどこから始めたらいいかわからない!という方も少なくないのではないでしょうか。実は、お肉や乳製品を控えて、野菜中心の食べものを中心に食べていきたいと思っている多くの方が同じように感じているようです。今回は、みなさんが植物ベースの食生活に切り替えるのに役立つ10個の基本をまとめました。野菜中心の食生活と、、、、、